(絵本) ふしぎなしっぽのねこ カティンカ は寝かしつけにぴったりのワクワクするお話


年中の息子、小2の娘と年の離れた二人ともが楽しめる読み聞かせの本を選ぶのは、だんだん難しくなってきた。そんな時にみつけた二人の共通の大好きアニマル猫のちょうどいいファンタジー!

この本は息子も娘も大好きな「猫」の話で、ページ数もそこまで長すぎない。パラパラ読んでみた感じ簡単すぎもしない。最近テレビのドラえもんなど長めのお話も内容を同時に理解しながら楽しめてきている息子の様子を考えても、難易度としては彼にも合っているように思えた。

ねこの カティンカは、

とっても かわいい

ふつうの ねこ。

でも、しっぽが

ちょっと かわっています。

どんなふうに

かわっているかというと…。

ふしぎなしっぽのねこ カティンカ

かわいいけど変わったしっぽを持つ猫の”カティンカ”。そのしっぽを見た人達の反応はさまざまで、「変なしっぽ」というようなことを言われることもたまにある。飼い主のお婆さんはそんなとき、内心ちょっとむっとしていた。ある夜、ベッドで寝ていたお婆さん、夜中に自分のくしゃみで途中で目がさめてしまう。そこでたまたま散歩に出掛けていくカティンカを見かけてついていくと…

という感じで話は展開していく、ある夜のちょっとしたおとぎ話。

本を読んでいた子供達は、不思議なしっぽの猫というわかりやすい不思議に対し期待するような眼差し。お話の世界は猫とおばあさんという小さい単位で進むものなのでシンプルでわかりやすい。そして絵がやわらかで色鉛筆で描かれたような可愛らしいタッチ。しっぽがキンキラに描かれていて喜んでいた。

怖いものも出てこないし、悲しい物語でもない、でも夜に抜け出す猫を追いてみる程度の、トトロを追いかけるようなドキドキワクワクは感じれられる平和な冒険のお話。その先で起きる不思議な出来事。

翌朝目が覚めたお婆さん夢オチか?と思ったところでいつも通り現れたカンティカは、それが夢ではなかったということを示す”お土産”を持っていた。そこで驚いたお婆さんのセリフが、

「まあ、カティンカ、おやまあ!」

ふしぎなしっぽのねこ カティンカ

というセリフ。この、全部を説明しきらないセリフ絵からも読み取る構図が最高だなと思った。子供の読解力が刺激される最後のシーンになっている。本を読んでいる子供は『おばあさんはなんでおどろいているのかな?』と思って絵をよく見る。そこにはもしあれが夢だったらありえないカティンカが持っているものが描かれている。このような文脈と状況から『あれは夢じゃなかったんだ!』という理解につなげていくしかけになっている。子供たちの様子を見ながら、答えは教えず、わざと「なんでお婆さんは驚いてるのかなぁ」なんて問いかけてみたりしながら読んでみたりするのもいいかも知れない。

作者はジュディス・カーという95歳で2019年に亡くなられたベルリン生まれの世界的絵本作家さん。彼女の作品は初めて読んだのだけど、一気にこの方の本が大好きになった。他の本も探して読んであげよう。



コメント

タイトルとURLをコピーしました